髑髏城の七人「鳥」を見に行った話。(ネタバレ有)

こんにちはなつめこです。

 

前回の記事で髑髏城の七人「花」を見て衝撃を受け、速攻で「鳥」のチケットを取ったのですが、今回もまあすごかったのでまとめてみました。

 

  • 全体の感想

「花」と同じテンションで見に行ったのですが、全然違ったものになっていてびっくりしました。「花」は王道だけど「鳥」は個性が爆発してどんがらがっしゃんみたいな。あ、悪い意味じゃないですよ。かなりショーアップされていて面白かったです。

さらに今回は歌や踊りも加わり、それにあわせて衣装やセットも華やかになったので見た目が明るくなった感じがしました。衣装替えがあったのも私的にはうれしかったです。

また、舞台のステージに設置されているスクリーンが、かなりよく使われていたかなという印象でした。髑髏城の中で捨之助たちと天魔王の手下が追いかけっこするシーンがあるのですが、上に上ったり下に降りたりする動きがスクリーンでよく表現されていました。出演者を見ているとそうでもないのですが舞台全体を見ていると少し酔うかなと思うくらいでしたね。これはかなりの面白いポイントです。要所要所でバンッと鳴る効果音や音楽のタイミングに少し違和感はありましたがあまり気にはならなかったです。また歌やダンスを入れることで展開が早くなっていたのですが、なにがどうしてこうなったというのが分かり易くなっていたので良かったと思います。終盤髑髏党から逃げるとき、捨之助ら七人が岩の上で立つシーンは鳥肌ものでした。エンドロールも花と同じように客席が回転し、きキャラごとにセットと共に出てくるのもよかったです。極楽太夫の早着替えはどうやってるんでしょうか。

私はどちらかというと「鳥」が好きですね。コメディタッチが好きなので。ちなみに今回は15列中央とかなりいいポジションで見ることができたので見え方もだいぶ変わったというのもあるかと思います。

とまあこんな感じでどうしても「花」と比較する部分が出てきてしまいますが、出演者ごとに細かく感想をまとめて行きたいと思います。

かなり男性出演者に偏っていますがご了承ください。

 

捨之助

こちらは阿部サダヲさんが演じられていました。前作とは違い忍者だったのである意味比べずに見れてよかったです。始めは沙霧をかくまう浮浪者?として登場するのですがいきなりやばい。「お、おにぎりなんだな」といって髑髏城の敵におにぎりを渡すのですがそれが爆弾という笑 もうめちゃくちゃ面白かったです。なんか凄く笑いの間合いが上手なんですよね。その後は無界の里で極楽太夫(松雪泰子)を助けるために登場するのですが、まさかの金太郎。布一枚で(下に肌着は着ていましたが)歌まで歌っちゃってまして、これが劇団新幹線…!と思いました笑 あと、おそらくここは狙っていたのではないと思うのですが、捨之助が髑髏城でつかまり天魔王の格好をさせられて仲間の6人と戦うのですがサダヲさんが小さくてかわいかった笑 「花」の小栗さんのときは黒甲冑がよく似合っていて見とれてしまったのですがまた違った面で楽しめました笑 全般を通してふざけ倒す捨之助が見られます。

私はサダヲさんのコメディな部分が大好きなので度はまりでした。なので多少の歌やダンスのごり押しは気にしません!そして一番の笑いポイントは贋鉄斎とのくだりなのですがそれはまた後で書きます笑

とまあギャグ線の高い捨之助ではあったのですが演技も本当にすごかったです。私は舞台観劇歴が短いのでサダヲさんが舞台をやられてたことを知らなかったのでこの公演を見て驚きました。席の関係で顔はしっかりと見えなかったのですがシリアスなシーンでのサダヲさんはとても格好良かったです。殺陣のシーンがとにかくたくさんあるのですがどれもひょいひょい身軽にやっていてすごかったです。贋鉄斎の作った刀研ぎ機を使って刀を研ぎながら戦うシーンではタイミングがトントンとはまってめっちゃきれいでいた。私は殺陣に関してはまったく素人なのですが拍手も起こっていたので相当凄かったんだと思います。インタビューでは大変だとおっしゃっていましたがまったく感じさせませんでした。そして!物語のクライマックスである天魔王との戦いはとても迫力ありました。きれいではないけど信長の手下の忍者として捨之助が担ってきた天地人の「地」の部分を生かした戦いだったと思います。ちょっと泣きました。てかこれだけ動いて演技するってめちゃくちゃ大変なんじゃないだろうか…。私が心配するようなことじゃないんですが本当に怪我だけはされないように祈っています。

 

天魔王

これは森山未來さんが演じられていました。私は映画「モテキ」のイメージで止まっていたので始めの登場のときは、あれ…誰!?となってしまいました笑 もっと若々しいのかと思っていましたがthis is 悪!な感じの声と仕草がとてもよかったです。今回の天魔王は前回の完全に頭のいかれた感じではなく仕えていた信長や蘭兵衛との関係が描かれていて人間味があったことで感情移入しやすかったです。「信長は最後まで俺のことは言わなかった」的なことを言うシーンでは天魔王の苦しみが現れていてちょっとかわいそうだなんて思ってしまいました。まあ結局最後は裏切るんですけどね笑 

そして天魔王の殺陣はめちゃ早かった。特に蘭兵衛との戦いのシーンは凄かったです。前作でも共演されてたとのことなので息があっているのかなと思いましたがあれを見に行くだけでも価値ありだと思います。歌とダンスも上手なんですね。また、ちょっとした動きにも悪的なイメージが湧くようにされていて驚きました。でも、天魔王にギャグ的要素はいらなかったような…。ちょこちょこ小ネタが入ってくるのですが総じてスベる。でもスベっちゃってるのは見ていて可愛いかったので良しとします笑

天魔王はいい意味で俳優さんの影をまったく感じさせませんでした。これから森山未來さん要チェックです。

 

蘭兵衛

これは早乙女太一さんが演じられていました。…いやあもうめっちゃくちゃ格好良かった。着物姿で銀の長髪はずるいです。初めて生で拝見したのですが思いの外体の線が細いなあと感じました。それは多分「花」でマッチョな山本耕史さんを見ていたからかなと思うのですが笑 今回の蘭兵衛はなんとなく優しい感じでした。あと声がいい。捨之助が捨てきった色っぽさを見事に補ってくれていました。極楽太夫との掛け合いも美しくてよかったです。多分「花」より、恋人関係であることが分かる描写が多かったかなと思います。あとは、ギャグ的な要素があまり無かったところが良かったですね。みんなががちゃがちゃしているのを一歩引いたところで見ているところが安心できました。

天魔王に薬を飲まされてしまうシーンは思いっきりチューしてましたね。なんか薬を飲む前から蘭兵衛の意思は固まっていた気もするんですがサービスショットでしょうか。私は好きです。まあそれは置いておいて薬を飲まされ髑髏党の一員になってからはもうガラリと変わりましたね。あんなに素敵な里を作ったのに全部忘れちゃうのは寂しい気がしました。極楽太夫のこともきっぱり捨ててますしね。「花」のときも思ったのですがここの心変わりの流れが私にはいまいちつかみにくかったです。それほど信長への思いが強かったということなのでしょうか。でも最後は信長をも裏切った天魔王を庇うんですよね。天魔王と同じ立場には成り下がらないというプライドがあるんでしょうけどこの辺がまだ私には理解が難しいところです。でも闇堕ちしてからの蘭兵衛めっちゃ好きです。なんだよって話ですね。でも、殺陣は本当に凄かった。うわさには聞いていましたが本当に見えない。まじ残像です。今回は「花」と比べると殺陣の勢いが凄かった印象です。

そしてこの作品での蘭兵衛の一押しシーンはずばりエンドロールだと思うんですよ。白い花に囲まれて一人で立っているんですがこれがまあ美しい。流し目がたまらんです。そこだけポスターカードにしてくれないだろうか。また、カーテンコールで3回も出てきてくれたのですが、クールに一番にはけて行くところも好きです。 

蘭兵衛は心情的には理解が難しい部分があるのですが、人物像はとても素敵だと思います。

 

…さて書いているうちにあまりに長くなってしまったので残りの方々は次に回したいと思います。